エクストラレッスンのご案内
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13 丘の上から眺めた風景

年末に、ずっと手付かずだった、田んぼの上にある二枚の小さな畑の草刈りをしました。早くやらなきゃと思いながら、忙しさにかまけてしまってなかなか手がつけられないことって、普段の生活の中でたくさんありますよね? そうこうしているうちにだんだんプレッシャーが大きくなり、そこから目を背けたくなってしまって、結果的にますますおっくうになってしまう……。皆さんもこんな経験があるかもしれません。

 

でも、ようやく重い腰を上げて、草刈機を取って、全体をきれいに刈りました。ホッと一息です。

 

その後、その場所に座って景色を眺めてみたんです。その場所は、農園の中でも一番高い場所にあって、とても見晴らしの良い場所です。そこから眺めてみると、なんかいつもとは違う視点で畑や田んぼの風景が見えてきました。

 

子どもたちが集まるテントは、あのあたりがいいかもしれないな。あそこに果樹があって木陰ができるといいな。あのあたりはハーブや花が咲いていると美しいかもしれない……。

 

普段作業をしているところからだけでは考えつかないいろいろなアイディアが湧いてきます。見方を変えると、新しいアイディアが湧いてくるって言うけど、本当にそうだなと思いました。

 

 

ところで、この年末年始に、私たちの周りではいくつかの出来事がありました。

詳しくは書きませんが、表面的に見ると、けっこうネガティブなことが連続して起こりました。幸いなことに感情が大きく揺れることはありませんでしたが、どうしてこんなに同じようなことが続くんだろうと、ちょっとだけため息をついたりもしました。

 

でも、少し時がたって、それらのことを思い起こしてみると、まるで小高い丘の上から眺めたように、一つひとつの小さな出来事によって生じた結果が、ひとつの大きな風景のように見えてきたんです。そしてそこにはネガティブなものは何ひとつなく、結果的に、進むべき方向に私たちを導いてくれていたことがわかりました。

 

そういうことだったのか、と腑に落ちました。

 

その中で、とても大切なメッセージだと感じたことの一つが、「コミュニケーションをしっかり取る」ということでした。

自分達の活動だけを考えていると、周りにいる立場の違ういろいろな人たちへの配慮をいつしか忘れてしまい、だんだんと横柄になってしまいがちです。

でも、初心を忘れずに、丁寧に、かつこまめに会話をしながら、自分達だけに都合の良いように活動を行なっていないかどうかを省みる。

 

そう考えたら、「コミュニケーションをしっかり取る」ということは、「謙虚さを持ち続ける」ということと一セットになっていることだなぁと感じました。

謙虚さは、日本人の持つ美点のひとつだと思います。でも、そのとても大切なところがおろそかになっていたなぁと痛感しました。気をつけなきゃ。

 

そうして、こんなふうに大きな視点でそれらの出来事を振り返ってみた後で感じたことは、「信頼感」でした。

自分の狭い意識や思考の及ばない大きな力が確かに働いている。それらの働きによって、必要なことが、必要な時に、起きている。

 

素直に、そう感じることができました。

 

ちゃんと守られている、頑張ってねと支えられている。だから、しっかりメッセージを受け取りながら、やるべきことをやっていこう!

 

いつも思うのですが、この時代に必要な方向に向かって進んでいれば、そうして自分の小さなエゴを超えて活動していけば、きっと導かれるところに導かれていく。

こんなふうに感じられたら、安心しますよね?

 

 

というわけで、いろいろな“事件”が起こった年末年始でしたが、結果的に力強い後押しを感じることができて、良かったなと思っています。

 

国内でも、海外でも、胸を痛める出来事が続いています。当事者になられた方々の苦しみ、悲しさ、切なさを思いつつ、そして祈りを送りつつ、私はこの場所で、自分にできることにしっかりと取り組んでいこうと思います。

 

世界がいつか平和になりますように。子どもたちが笑顔で暮らせる未来になりますように。そしてそのために、より意味のある大切な2024年になりますように……。

 

2024110

栄 大和